サックスは定期的なメンテナンスが必要な楽器です。
長期間メンテナンスなしで使用しているとタンポ(トーンホールをふさぐパッド)が傷んだり、ずれたりして音が鳴りにくくなったりします。
また、ネジ類やバネのような細かな部品の不具合で演奏に支障がでることがあります。
楽器に問題があると上達のさまたげにもなりますし、一度にパーツ交換をするとお金がかかってしまい経済的にも負担です。
メンテナンス・調整のタイミング
サックスのメンテナンスは一般的にリペアマンと呼ばれる専門家に任せます。
都内の楽器店、とくにサックスの専門店にはリペアマンが在中していて、簡単な問題であればその場で修理してくれます。
通常サックスのバランスは3か月から半年程度で少しずつ崩れてきますので、その周期で点検してもらうことになります。
どれだけ期間があいても前回のメンテナンスから1年以内にはみてもらうことをお勧めします。
自分で行うメンテナンス
普段の演奏のあとで自分でサックスのケアをしておくとよい状態を長く保つことができます。
- スワブを通す
- クリーニングペーパーでタンポの水分をとる
- クロスで楽器表面をふく
- ヒンジにオイルをさす
演奏後に楽器内の水分を取り除くためスワブを管内やネックに通しておきましょう。
スワブは楽器の種類や使用するパーツに合わせてサイズがありますので、ふさわしいものを選んでください。
大きすぎるものだと楽器につまってしまうことがあります。
タンポは水分が残っていると傷みやすくなります。
パッドとトーンホールの間にクリーニングペーパーを何度か挟んで水分を取り除きます。
表面が汚れているとラッカーやメッキが傷みやすくなります。あまりごしごしとふいてしまうと、逆効果ですが専用のクロスで優しくふいておきましょう。
パーツの接合部にオイルをさしておきます。ネックと本体との接合部にはつけません。
私は定期で点検してもらうときにリペアマンにお願いしています。何も言わなくてもだいたいオイルはさしてもらえているようです。
オイルがきれるとキーががちゃがちゃと音をたてだすので、そのようになってきたら自分でオイルをさすとよいでしょう。
オイルは専用のものが販売されていますので必ずそれを使用してください。
オーバーホール
オーバーホールは定期的な調整とは異なり、劣化したタンポを交換しすべての部品をすべて分解して組み立てなおします。
全体的に調整を行うことになるので新品でわたされた状態に近くなり、音がかなりかわります。
価格は数万円から十数万円かかりますがリペアマンと相談することである程度おさえることも可能です。
余談ですが、オーバーホールを行う時にはタンポをすべて交換することができるので、大胆な音色のカスタマイズを施すことができます。
カスタマイズの一例としては、たとえば、タンポの内側にあるレゾネーターという音を反射させるパーツがあるのですが、ここを金属のものにするか樹脂にするかです。
大きく音色が変化するので、慣れた楽器は変えたくないけど音の傾向を変えたい場合はお勧めです。