サックスのチューニングはマウスピースの抜き差しで行います。
一般的には、実音でB♭(アルトのソ、テナーのド)で音程を合わせます。
しかし、サックスは音域によって音程が微妙に変化する楽器です。
本体の構造的な要因などで、例えば中音のレの音(オクターブキーを押した状態の下から2番目のレ)では音程が高めに出ます。
その様な部分については音程のコントロールで述べた方法で調整する必要があります。
とはいえ、毎回音程を調整していると安定した演奏はできません。
初心者の音程が定まらない一番の原因は、キーを閉じたとき(あるいは離したとき)のサックス内の圧力の反動でアンブシュアや息のスピードが変わってしまうことです。
以上をふまえて、奏法を見直しながらチューニングをする方法を紹介したいと思います。
1.中音のB♭でチューニングする
もっとも自分が良い音を出せるアンブシュア、息の入れ方でチューナーを見て(できれば音も聞きながら)、チューニングします。
2.1オクターブ上のB♭でチューニングする
次にアンブシュアを極力変えないように注意しながらオクターブキーを押して、音程を確認。
高い場合は噛みすぎなのでアンブシュアが変わっていないか見直します。
低い場合は喉が開きすぎ(あるいは舌の位置が下がりすぎ)ているので、バランスを見直します。
3.最も低い音ドでチューニングする
さらにオクターブしたの音程があっているか確認しましょう(アルトは実音E♭になります)。
音程が高い場合は噛みすぎです。中音の状態からアンブシュアが変わっていないか確認してください。
それでも合わない場合はマウスピースを抜いて調整します。
低い場合は息の吹き込みが十分かどうかを確認します。息が弱くなっているようであれば吹き込みを強くします。
それでも低い場合はマウスピースを差し込みます。
低音域は音程をコントロールできる幅がせまいので、ここを基準にチューニングする人も多くいます。
4.すばやくオクターブを切り替えてそれぞれの音程があっているか確認する
個別のチューニングができたら、ドの音ですばやくオクターブを切り替えて音程があっているか確認します。
問題がなければチューニングは終了です。
(理想を言えばいろいろな音も試したほうがよいですが、、、)
とりあえず、これでずれがあるようであれば、1~3を繰り返してマウスピースの差し込み具合と奏法に問題がないかをチェックします。
以上からお気づきかもしれませんが、正しいチューニングをするには実は正しい奏法ができていることが重要になってきます。
あらゆる音域で一定のアンブシュア・息のスピードで音をだすことができるように、ロングトーンの練習をして奏法を安定させましょう。
細かな音程の調整はそれができてからでよいと思います。