グロウル(Growl)はサックスの音色を強烈にひずませる(濁らせる)方法で、ロングトーン一つで強烈な印象を残すことが可能です。
よくファンク、ロック、ジャズのジャンルで用いられ、歌でいうとシャウトやスクリームと呼ばれるようなニュアンスが表現できます。
では、グロウルの演奏方法について述べていきたいと思います。
グロウルの出し方
グロウルは英語で「唸り声」を意味しますが、その文字のとおり「ウー」っと声を出しながらサックスの音を出します。すると声による音の揺れとサックスの音が混じって強烈に濁った音色へと変化します。
音色が大きく変わってしまいますので多用はしないほうがよいでしょう。
最初は声を出しながら音をだすことは難しいと思いますので、次の方法を試して感覚をつかんでください。
- マウスピースをくわえてアンブシュアを緩めて音を出さない状態でウーと声を出す
- 口を通常の演奏の状態までしめていきグロウルの音が出ることを確かめる
- 音の出だしからグロウルの音になるようにする
グロウルのコツ
グロウルの演奏をする場合には、声を出しながら演奏するので、声帯を震わせることにも息の力が使われてしまうため通常より多く息を吹き込む必要が出てきます。
サックスの音程と異なる声の音程がぶつかって不協和音のようになりますので、サックスで出している音域によって声も調整してください。
関連項目
同じような表現をする演奏方法としては「ファズトーン」があります。
ファズトーンはサックス自体の倍音を混じらせて音をひずませますが、グロウルでは声を使うという違いがあります。よくよく聞くとニュアンスが異なりますので注意して聴いて使いどころを研究してみてください。