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習ったほうが上達が早いのは、伝わる情報量が違うから

こんにちは。

東京サックスポータルです。

人に習ってみるとできなかったことが瞬間的にできるようになることがあります。そのくらい対面で教えてもらうことには効果があるのですが、なぜ教本からあるいは動画や音声のみで学ぶのとこんなに差があるのでしょうか?
この辺りを伝える手段による情報量の違いから考えてみたいと思います。
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まず独学中に感じたこと

私は一時期独学で練習していましたが、当時は音源のついている教本は少なくCDが最高の教本と言われたりしていました。(これは今でもそうだとも思いますが)
そのため、ろくに読めない楽譜を頼りになんとか音を出すのですが、なんとなくでこれでよしとしていました。

そうこうしているうちに、いまいち上達を感じられなくなりモチベーションがどんどん下がってしまい、しばらくサックスを取り出すことがなくなって・・・という悪循環がはじまります。

この悪循環を打破したのはたまたま吹奏楽に誘われて仲間ができたことなのですが、ここで思ったのは、周りでみんながどんなことをやっているのかわからないと何が正しいのかわからないということです。
合奏になると否応なしに合わせる努力が必要で、うまい人はどんな音を出しているのか確認することになります。
これが耳を鍛えて少しずつ自分がどう吹くべきなのかイメージがつかめるようになってくるのです。

しかし、具体的に教本では何がわからなかったのでしょうか?

文字と対面の情報量の具体的な違い

人から習うということは、イメージの持ちやすさという点で大きな違いがあります。
しかし、なぜでしょうか?そこから得られる情報が言葉だけなら教本と変わらないのです。もちろん吹いてもらって音を確認できるという利点があります。しかし、これだけでは動画や付属の音源と変わりません。

本当に必要なのは、非常に微妙なニュアンスやコツのようなものを理解するうえでは、息づかいや全身の動かしかただったりするからです。
そういったものは並んで練習すれば一瞬でわかることがありますが、文字や楽譜などのメディアではかなり自分なりに解釈して身につけるようにしなくてはなりません。

これまでに、私もフラッターやオーバートーン、サブトーンで練習してもうまくいかないことがあったのですが、教えてもらうとサクッとできてしまったことがありました。

目に見えない喉の具合などは生でみるとかなり理解ができるようになるものです。

まとめ

人間のコミニケーションにおいて、言葉で伝わるのは実は一割程度だと言われています。
サックスは自分の工夫でうまくできることもありますが、何か行き詰まることがあれば人に教えてもらえる環境であるにこしたことはありません。

なので、独学でもセッションに行ったり、楽団に入るなり、単発のレッスンを受けるなどして生のコミニケーションをとってみてください。きっと上達のスピードが上がりますよ。

ネズミは音感を身につけられるか? -ネズミに学ぶ練習のコツ

こんにちは。
サックス楽しんでますか?

東京サックスポータルです!

海馬の研究で有名な池谷裕二さんの本を読んでいます。

タイトルは記憶力を強くする 最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方です。

この本で紹介されるネズミの実験から、音感を身につけること、ひいては練習のコツについて何かを得たように思えましたのでまとめてみたいと思います。

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記憶にいたるまで

まずは実験を簡単に紹介。(かなり端折ったり、文面を変えたりしてます(^^;;)

ブザーが鳴ったときにレバーが押されると餌が出てくる箱があります。
ネズミは単なる偶然でブザーが鳴ったときにレバーを押して、餌が出てくることに気づきます。
しかし、この段階ではレバーと餌の関係にしか因果関係を見出していません。
そうするとネズミはひたすらレバーを押しますが、必ずしも餌が出るわけではありません。その後、いろいろな試行錯誤をし失敗を繰り返すうちに、ついにレバーとブザーの関係に気づきます。
そして、ネズミはこの課題を記憶するのです。

つまり正しい手順を学習するためには何回も失敗を重ねて、正解にたどり着くと記憶に残ると言うことになります。

でも、これって何か効率が悪くないですか?

もうちょっと何かないのかなーと読み進めてみると…

この学習を効率化する方法はあります。
それは段階をふんで学ばせることです。
まずはレバーと餌の関係がわかるように、音は関係なくレバーだけで餌が出るようにしてレバーと餌の因果関係を完璧にネズミに覚えさせます。
次にブザーと餌の関係を覚えさせます。このようにすれば学習が格段にはやくなります。

なるほど、何かを習得するためには効率化された手順をふんで行くと良いわけですね。
サックスの練習で譜面を覚えるときも音と音符の関係や、指と音符の関係を一度に覚えるのではなく、それぞれを完璧にわかるようにして行った方が効率が良いと感じることがあります。

この辺りが体系化されたものが教本だったり先生のノウハウだったりするわけですね。

ネズミに音感はつくのか?

そして、いよいよネズミに音感をつけさせる実験です。

先の課題をクリアしたネズミに意地悪るをしてみましょう。
ブザーの音程を「ド」と「ソ」にして、「ソ」のときには餌が出ないようにしておきます。

ブザーの区別が出来るのでしょうか?
また、ネズミは音程の違いがわかるくらい頭がよいものなのでしょうか?

案の定、ネズミはどちらの音が鳴らされてもレバーを押してしまうことになります。

しかし、またもや失敗を繰り返していくうちに音程の違いに気づくようになります!

ここで注意したいのは「ド」と「ソ」の音程は周波数的にはかなり開きがあると言うことです。

いきなり「ド」と「ド#」のような違いの少ないものからはじめても差を認識できないと言うのです。
これは記憶には、大まかに覚えるという特徴もあるためです。

確かに、楽器で考えると、そもそもサックスとクラリネットと言う大きい違いからわからないのにアルトとかテナーなどの違いを認識するのは難しいのではないかと思います。

実際にこの実験のとおりに音感も身についてくるようにも思います。
半音の違いは最初はなかなか区別できません。

まずは大きいな違いに気づくことですね。

サックスの練習に活かすために

サックスの練習は結局のところいろいろなことを記憶するために行います。

この実験からわかること、そして活かし方をまとめると次のようになります。

1. 試行錯誤して失敗を繰り返すことで記憶できる

練習では何事もうまくいかないことが多いかと思いますが、いろいろ試して正解にたどり着く必要があります。

2. 正しい手順で段階をふんで練習すると効率化できる

いきなり多くのことをできるようにすることはできないので、細かく課題を設定して目標達成できるように練習の順序を考えます。
自分で順序を決めても良いですが、教本やレッスンの受講が参考になるでしょう。

3. 大まかに覚えてから細かなことを覚える

実験でも例になっていましたが、音感のトレーニングのように、大きな差を捉えて違いがあることを覚えてからじょじょに認識しづらい細かな差を覚えて行くと良いでしょう。

いかがでしたでしょうか?
何か練習の参考になれば嬉しいです(^^)

ではまた。