ネズミは音感を身につけられるか? -ネズミに学ぶ練習のコツ

こんにちは。
サックス楽しんでますか?

東京サックスポータルです!

海馬の研究で有名な池谷裕二さんの本を読んでいます。

タイトルは記憶力を強くする 最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方です。

この本で紹介されるネズミの実験から、音感を身につけること、ひいては練習のコツについて何かを得たように思えましたのでまとめてみたいと思います。

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記憶にいたるまで

まずは実験を簡単に紹介。(かなり端折ったり、文面を変えたりしてます(^^;;)

ブザーが鳴ったときにレバーが押されると餌が出てくる箱があります。
ネズミは単なる偶然でブザーが鳴ったときにレバーを押して、餌が出てくることに気づきます。
しかし、この段階ではレバーと餌の関係にしか因果関係を見出していません。
そうするとネズミはひたすらレバーを押しますが、必ずしも餌が出るわけではありません。その後、いろいろな試行錯誤をし失敗を繰り返すうちに、ついにレバーとブザーの関係に気づきます。
そして、ネズミはこの課題を記憶するのです。

つまり正しい手順を学習するためには何回も失敗を重ねて、正解にたどり着くと記憶に残ると言うことになります。

でも、これって何か効率が悪くないですか?

もうちょっと何かないのかなーと読み進めてみると…

この学習を効率化する方法はあります。
それは段階をふんで学ばせることです。
まずはレバーと餌の関係がわかるように、音は関係なくレバーだけで餌が出るようにしてレバーと餌の因果関係を完璧にネズミに覚えさせます。
次にブザーと餌の関係を覚えさせます。このようにすれば学習が格段にはやくなります。

なるほど、何かを習得するためには効率化された手順をふんで行くと良いわけですね。
サックスの練習で譜面を覚えるときも音と音符の関係や、指と音符の関係を一度に覚えるのではなく、それぞれを完璧にわかるようにして行った方が効率が良いと感じることがあります。

この辺りが体系化されたものが教本だったり先生のノウハウだったりするわけですね。

ネズミに音感はつくのか?

そして、いよいよネズミに音感をつけさせる実験です。

先の課題をクリアしたネズミに意地悪るをしてみましょう。
ブザーの音程を「ド」と「ソ」にして、「ソ」のときには餌が出ないようにしておきます。

ブザーの区別が出来るのでしょうか?
また、ネズミは音程の違いがわかるくらい頭がよいものなのでしょうか?

案の定、ネズミはどちらの音が鳴らされてもレバーを押してしまうことになります。

しかし、またもや失敗を繰り返していくうちに音程の違いに気づくようになります!

ここで注意したいのは「ド」と「ソ」の音程は周波数的にはかなり開きがあると言うことです。

いきなり「ド」と「ド#」のような違いの少ないものからはじめても差を認識できないと言うのです。
これは記憶には、大まかに覚えるという特徴もあるためです。

確かに、楽器で考えると、そもそもサックスとクラリネットと言う大きい違いからわからないのにアルトとかテナーなどの違いを認識するのは難しいのではないかと思います。

実際にこの実験のとおりに音感も身についてくるようにも思います。
半音の違いは最初はなかなか区別できません。

まずは大きいな違いに気づくことですね。

サックスの練習に活かすために

サックスの練習は結局のところいろいろなことを記憶するために行います。

この実験からわかること、そして活かし方をまとめると次のようになります。

1. 試行錯誤して失敗を繰り返すことで記憶できる

練習では何事もうまくいかないことが多いかと思いますが、いろいろ試して正解にたどり着く必要があります。

2. 正しい手順で段階をふんで練習すると効率化できる

いきなり多くのことをできるようにすることはできないので、細かく課題を設定して目標達成できるように練習の順序を考えます。
自分で順序を決めても良いですが、教本やレッスンの受講が参考になるでしょう。

3. 大まかに覚えてから細かなことを覚える

実験でも例になっていましたが、音感のトレーニングのように、大きな差を捉えて違いがあることを覚えてからじょじょに認識しづらい細かな差を覚えて行くと良いでしょう。

いかがでしたでしょうか?
何か練習の参考になれば嬉しいです(^^)

ではまた。


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